倒木更新(トウボクコウシン)

2025年を更新しました。継がれていく生き物の一人?であること。なかまのなかにあること。本年もよろしくお願いいたします。
小園弥生 2025.01.01
誰でも


杉は、完成した深い森では日が差しこまないので発芽できない。大木が倒れるとそこに隙間ができ、日が差しこんでくる。湿気の多い屋久島では倒れた木の上に苔がはえ有機物が溜まり、格好のベッドができる。そこに落ちた種は光も、水分や栄養も得られ、発芽できる。このように倒木上で次の世代が生まれ育っていくことを「倒木更新」という。こうして次の世代へと交代していくのだ。
(中野民夫『みんなの楽しい修行』)

屋久島の森で
実物を前にこの話を聞いたとき
倒れた木と生まれた芽が
交信しているのかと思った

次の種が芽をだすには
森に空間があくのが必要なんだ
仲間と顔を見合わせた
ほう、光さしこむ空間がね

ベッドとなった古木は
養分を放出すると朽ちて穴があき
地面から浮き上がった根が残る
骨のように

いのちのコウシンされた
かたちはダンス
ひともコウシンを祈って踊り
旅をする

2024年9月。屋久島にて。

2024年9月。屋久島にて。

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